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社会記事  20歳女子短大生バラバラ殺人事件「犯人は兄の予備校生」

◇正月三が日の最終日に痛ましい事件が起きた。事件現場は、東京都渋谷区幡ケ谷で歯科医院を経営するの武藤衛さん(62)の自宅兼医院で、付近はマンションや民家が建ち並ぶ閑静な住宅街。事件の内容が内容なだけに、一時、現場周辺には報道陣が殺到し騒然とした雰囲気となった。

1月3日夜、短大生の長女、武藤亜澄さん(20)が、手足など十数か所をバラバラに切断された遺体で見つかり、警視庁は翌4日、死体損壊容疑で兄で予備校生の武藤勇貴容疑者(21)を逮捕した。調べに対し、勇貴容疑者は「亜澄さんから『夢がない』となじられたので殺した」と供述し殺害を認めた。調べでは、勇貴容疑者は昨年12月30日午後、自宅で亜澄さんの遺体や頭部や両肩、腹部や両脚などを切断した疑い。殺害は、遺体の首に絞められたあとが残っている点、頭部に強い衝撃を受けたとみられる傷がある点、肺に水が入っていた点などから、自室などで首を絞めたり殴ったりして殺害したものと警視庁捜査一課では見ている。その後、遺体を引きずるなどして2階の風呂場に運び切断、のこぎりと包丁は犯行後に血痕をふき取り自室と台所に戻したとみられる。

(写真)武藤勇貴容疑者(21)に殺されてしまった実の妹・武藤亜澄さん(20)
予備校生の兄が短大生の妹を殺害し、殺害後衣服を脱がし、遺体をバラバラに切断して部屋に放置するという、エリート歯科医師一家を襲った惨劇は最悪の結末を迎えた。

勇貴容疑者は、都内の有名私立高校を卒業し、家業でもある歯学系大学への入学を目指していた。通常ならば次が4回目の受験。昨年4月から通っていた予備校では、「彼は私立の歯学部を目指していた。早めに願書を出すよう指導しているが、彼は年をまたいでしまった」と話した。勇貴容疑者は、歯学部合格に向けての予備校の「年越し合宿」に参加していたが、志望校を決め早ければ願書提出済みのこの時期未だに願書は未提出。志望校をどこにするのか心が揺れ動いていたのかも知れない。「歯学部に絶対に合格しなければいけない」この思いからくる自身と家族のプレッシャーはかなりの重さだったと考えられる。当然、ひとつひとつの言葉に対して神経質になるだろう。しかし実の妹が発した「夢がない」の一言でキレて殺人を犯してしまうのは話が別だ。勇貴容疑者は「妹に『ゆうくん(勇貴容疑者)は自分が勉強しないから成績が悪い、と言っているけど本当は分からないね。わたしには夢があるけれど、ゆうくんにはないね』となじられ、頭にきて殺した。遺体をいくつもに切断し、部屋に隠した」と供述している。遺体は二重、三重にしたごみ用ポリ袋4袋に分けて口を結んでいた。勇貴容疑者は亜澄さんの遺体を切断するとき、猟奇的な切断をしていた。通常想像されるバラバラ殺人事件は、頭部、胴体、足、手等、切断しやすい部体こどに切断するものだが、勇貴容疑者は亜澄さんの胸部(乳房)もひとつの部体として切断していた。これは、かなり特殊な部類である。勇貴容疑者の自室クローゼットから3袋、同キャビネットから1袋が見つかった。勇貴容疑者は、遺体切断時にでる血痕をふいたとみられるなど、遺体を隠す隠蔽工作をしていた。

殺された武藤亜澄さんは、「高峯駆(たかみねかける)」の芸名で舞台女優としても活躍していた。 昨年12月には、東京下北沢で演劇に出演したほか、雑誌にも紹介されていたという。将来的には女優を志しており積極的に活動していた。つまり亜澄さんは、大きな夢を持っていた。兄と妹で志しは違えど、夢を対比してしまうことはよくないことだ。お互いが夢を認められるような心があれば今回のような悲劇的結末は招かなかったと思われる。また、勇貴容疑者と妹の亜澄さんは普段から会話が全くなく、1年以上にもわたって会話をしていない状態が続いていた。久しぶりの会話が殺人の動機にもなっている「夢がない」との亜澄さんの一言。つまり日頃からのコミュニケーション不足が今回の事件を引き起こしたとも言える。夢を対比して馬鹿にするような亜澄さんの発言もよくないが、その発言を嫉んで人殺しをすることなどは、比較もしようがないほど論外な行動であり行為だ。

「死人に口なし」の言葉通り、勇貴容疑者はこの後、殺人容疑での再逮捕を経て起訴されることになる。裁判でどのような判決がでるかはわからないが、例え猟奇的事件であれ、勇貴容疑者の心情はある程度加味することが必要だ。事件自体の特異性や残虐性は厳しく問われなければならないが、一方的に勇貴容疑者の非を裁くことはよくないことだ。父親も母親も歯科医で兄も歯学部の大学生、妹は女優志望で自身は4回目の大学受験に挑戦する予備校生。エリート家族の中で勇貴容疑者は極めて厳しいポジションにおり、精神的な圧迫、つまり大きなプレッシャーがかかっていたことは間違いない。事の発端や勇貴容疑者のおかれている立場や境遇から考えればある程度「酌量の余地」はあるのではないだろうか。両親や兄、妹が「プレッシャーをかけないようにしているつもり」でも、そのこと自体がプレッシャーとしてのしかかることはよくあることだ。コミュニケーション不足が発端とも言える今回の事件は、家族のコミュニケーションがどれほど大事なものか考えさせられる事件である。

 

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2007年1月5日 アドネットニュース編集部