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社会記事 「苦労人経営者」吉野家の安倍修二社長

◇吉野家ディーアンドシーの安倍修二社長といえば、アルバイトから吉野家一筋で社長の登りつめたいわば叩き上げの経営者。現場経験も豊富で、普通に会社員で過ごしているならめったに経験しない“3段階降格”も経験するなど、波乱に満ちた経営者である。その安倍社長が経験した「波乱」で最も苦しい経営判断を迫られたのが、BSE問題でいわば牛丼専業だった会社の方向転換を迫られたことだ。当初は「吉野家=牛丼」のイメージが強すぎて、新メニューは消費者に受け入れがたい状況だった。しかし、消費者の意見を聞いて新メニューの味付けを変更したり、現場レベルで販売形態の見直しをしたりと、さまざまな企業努力が効果をあげ経営状態は立ち直りつつある。

アメリカ産牛肉が少しずつ日本に入ってきている今、吉野家は牛丼専業ではなく、牛丼を販売できなかった期間に養ったメニューを生かして「メニューの多角化」を推し進めている。「アメリカ産牛肉でしか牛丼は作らない」この考え方は、吉野屋つまりは安倍社長を中心とした経営判断であり、牛丼専業時代から味を変えずに守りつづけてきた会社のポリシーだ。吉野家の牛丼を待っている人は非常にたくさんいる。反対にアメリカ産牛肉を不安視している人もたくさんいる。今の吉野家は、吉野家愛好家といわれる人々に支えられているといっても過言ではない。少し風化した話だが、BSE問題によりアメリカ産牛肉の輸入が停止してしまい「吉野家の牛丼が食べれなくなる騒動」が起きた時は、吉野家に客が殺到した。店舗の外に長い行列ができた光景を覚えている人も多いだろう。中には、安倍社長が店頭にでて牛丼を販売している姿を覚えている人もいるかも知れない。
吉野家は、11月までは月初めだけ販売している牛丼を12月1日からは毎日、全店で扱うと正式に発表した。安部社長は特派員協会の講演で「春を過ぎると(米国での)牛肉生産が増えてくる。牛丼の販売量も増やしていきたい」と発言。当面は時間限定での牛丼販売になるが、牛肉調達量の増加に応じて販売時間を延長する考えを示した。しかし、輸入の段階で、また輸入牛肉の品質上の問題が発生する可能性がある。最後の最後まで予断は許さないが、安倍社長をはじめとした経営陣、そして吉野家には、意地でも牛丼の販売を再開してもらいたい。輸入牛肉に危険部位が混じるようなケースに対しては、吉野家が責任をもって購入した牛肉を検査するなど、はっきりとした対策と消費者第一の視点で責任の所在をはっきりしておけば、アメリカ産牛肉に対して不安に感じる人たちもそれなりに納得させられるはずだ。
吉野家の本格的な牛丼販売再開のカウントダウンはもうはじまっている。
これまで幾度の危機をエネルギーに変えてきた安部社長の経営手腕は非常に高い。問題が再発したとしても吉野家には危機管理能力がある。社員と経営者の意思疎通ができているからこそ危機管理能力は発揮される。「牛丼の吉野家」は文字通り、牛丼という定番メニューがあってこその看板名句だ。販売再開で吉野家に人々の「笑顔」と「満足感」が戻ってくる日は近い。


吉野家ディーアンドシー公式ホームページ
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2006年11月10日 アドネットニュース編集部